ビルトインガレージの壁と天井は、不燃材料の防火構造

〔ビルトインガレージがもつ倉庫機能で建築資材を一時保管中。奥は階段下のフリースペース〕

GarageHouse(賃貸ガレージハウス)京都南のビルトインガレージ内の壁と天井の施工が完了しました。コラムの「界壁の耐火性能、遮音性能(その1-仕様ポイント)」でも触れましたが、界壁は、遮音性能を高めるため、間柱を千鳥(ちどり)で配置し、建築基準法に従って、内部にグラスウールを充填し、石膏ボード(1.2㎝)に窯業系サイディング(1.6㎝)を二重で両面に貼る仕様としました。また、天井部分は、発砲ウレタン吹付断熱を施工し、パルプ繊維混入セメント板(30分準耐火構造、1.2㎝)を貼った防火構造となっています。なお、ビルトインガレージの外部に接する壁には、天井と同様に発泡ウレタン吹付断熱を施工し、窯業系サイディング(1.6㎝)を二重で両面に貼っていますので、自動車の出入りのたびにエンジン音が建物全体に響き渡ることもなく、一定の防音効果を発揮しています。

特に満足している点は、コンクリート打ちっ放し調の窯業系サイディングを使っていますので、まるで本物のコンクリートの壁だと見間違えるほど、ガレージに相応しい素敵な質感に仕上がっています。もともと、耐火構造の外壁にも使用できる窯業系サイディングは、断熱性能や防音性能だけでなく、防火性能(最高等級の耐火等級4)を兼ね備えているので、ビルトインガレージの内装材として適材であり、安全・安心な建物づくりに貢献するのではないでしょうか。

なぜなら、GarageHouse 京都南のビルトインガレージは、あえて建築基準法上の特殊建築物である自動車を駐車格納する目的の「自動車車庫」で建築確認・許可申請を行っていますので、法令の内装制限に準拠した不燃材料や準不燃材料を使用しています。そのため、スタイリッシュな建物でありながら、防耐火性能が高い賃貸ガレージハウスとなっています。ところが、一見するとビルトインガレージであっても、内装制限の受けない「物置」や「倉庫」として申請している場合があります。この場合、火気のある自動車の保管と異なり、防耐火性能が求められないので、柱、梁などの木質材料が露出するデザインも可能であり、施工の容易さとコスト削減のため、石膏ボード(厚さ1.2㎝未満)、シナ合板、OSB ボードなどの一般的な内装材が使われています。

ビルトインガレージの内装材に不燃材料や準不燃材料を使う理由は、万が一火災が発生しても、一定時間、炎をガレージ内に閉じ込め、延焼防止と避難時間の確保を目的とするもので、人命を守るために必要不可欠なものです。さらに、火を通さない素材の特性から、音も通さないため、騒音を遮断する機能も有しており、非常に重要な部材となっています。

また、ビルトインガレージ内は、熱感知器による火災監視サービスで常時警戒するので、センサーが火災を感知すると異常信号を送信し、セコムが必要に応じて119番へ通報します。もちろんセコムの緊急対処員も現場に駆けつけるので、火気のあるクルマの保管も安心です。さらに、火災時の避難経路は、ビルトインガレージ側の通常の玄関とは異なる、逆方向に勝手口を設けており、もしもの時も安全に避難できるように配慮しています。

ところで、このビルトインガレージの開口部は、一般的な巻き上げ式シャッターではなく、欧米のインターガレージでよく見られる天井に沿って跳ね上がるオーバーヘッドドアを設置する計画です。この電動オーバードアは、ドアパネルにポリカーボネート製のグレースモーク色の半透明プレートを設置するので、ドアを閉めてもガレージ内に柔らかな光が差し込み、心地よい明るさに包まれるはずです。建物のファサードを印象づける電動オーバードアの施工は、建設工事の終盤となりますが、設置されるのを楽しみにしています。

GarageHouse は、人と自動車の共生をテーマとしていますので、人にも自動車にも心地よい住宅環境づくりを目指してまいります。

〔素敵な質感に仕上がったビルトインガレージ内の界壁!〕