施工写真で見る GarageHouse 京都南の優れた住宅性能

本日は、GarageHouse(賃貸ガレージハウス)京都南の着工から竣工までの施工写真をもとにその優れた住宅性能を時系列でご紹介させていただきます。既にコラムのプロジェクト進捗でも掲載していますので、内容はダイジェスト版とし、適宜リンクを貼りますので、詳細はそちらでご覧ください。

 土地の選定と建物工法の選択(災害に強い住宅づくり)

まず最初に、土地の選定は、災害リスク情報をハザードマップで確認し、災害に強い土地を選ぶことからスタートしました。対象地域が災害リスクの高い土地かどうかを見分けるには、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」で検索するのが簡単で便利です。感染症と大地震は、「忘れた頃にやってくる」という言葉のとおり、感染症対策と同様に地震対策も忘れてはいけません

次に、建物の工法は、GarageHouse 京都南から僅か3㎞ほどの距離にある世界最大の木造軸組の建築物である東大寺 大仏殿と同じ「木造軸組工法」としました。東大寺の壮大な七堂伽藍を構成する江戸時代に再建された大仏殿をはじめ、鎌倉時代に再建された南大門、奇跡的に奈良時代(天平時代)の創建当初の姿で残っている転害門が長い歳月を経て現存していることが、木造軸組工法が震災に強い証左といえます。
※「地震や台風などのリスクに備える災害に強い住宅づくり

1.GarageHouse 京都南の建設用地(2019年12月)

いよいよ、GarageHouse 京都南プロジェクトがこの土地から始まります。京阪奈丘陵に広がる学研都市を形成する新しい街で、ビルトインガレージのある自分流の暮らしを実現できる賃貸ガレージハウスが誕生します。
※「GarageHouse 京都南プロジェクト始動!

2.べた基礎の根切り(地盤調査済み)

基礎工事に先立ち、良好な地盤であるとの地盤調査結果が得られました。いくら頑丈な基礎でも、地盤が軟弱であれば、住まいの安全は守れません。基礎工事は、まず根切りといって地盤全体を掘削し、基礎の底版と地盤が接する部分を作っていきます。GarageHouse の場合、べた基礎の上にビルトインガレージができるため、車の出入りに支障を来さないように一般住宅よりも基礎の位置が低く設計され、建物と自動車の荷重に耐え得る頑丈なべた基礎が施工されます。
※「住宅瑕疵保証保険の地盤調査と基礎工事の開始

3.防湿シート(構造木材の腐朽や蟻害を防ぐための防湿対策)

べた基礎は、基礎断熱も兼ねているため、土中の湿気を完全に遮断する意味で、底版のコンクリートがあっても、防湿シート敷きは必要です。特に、GarageHouse の場合は、基礎部分の上にビルトインガレージができるため、自動車の防湿対策として、べた基礎と防湿シートの二重構造がベストマッチングだと考えています。
※「べた基礎の防湿シート施工とビルトインガレージ

4.配筋施工(かぶり厚、鉄筋のピッチを確認済み)

配筋施工で重要なことは、かぶり厚です。防湿シートや捨てコンからその上の鉄筋との間隔が6㎝以上離れているかどうかです。サイコロの様なスペーサーを挟んで規定のかぶり厚を確保しますが、どうしても施工中に作業員が鉄筋の上を歩いてしまいますので、スペーサーが地盤にめり込んで鉄筋が下がり、かぶり厚が十分に確保されないことがあります。2009年から住宅瑕疵保証保険の加入義務化により、第三者の検査機関による配筋検査が実施されるので安心です。
※「べた基礎の施工と住宅瑕疵保証保険の配筋検査

5. 型枠・コンクリート打設(強固な基礎は建物の耐久性を高める)

住宅の欠陥は、基礎と床を合わせた足元部分で4割を占めると聞いた覚えがあり、建物の耐久性には、この足元の施工がとても大切であると認識しています。施工品質を確認するため、「型枠の固定状況、基礎の幅、基礎の高さ」など、どれも教科書どおりの点検項目ですが、ヒューマンエラー防止の観点から点検を実施しました。今後も、主要工程ごとの点検を継続して実施することで、安全、安心な住まいができるように努力いたします。
※「べた基礎のコンクリート打設と施主点検のポイント

6.給排水管工事(温水、水道水とも断熱材で被覆)

GarageHouse の場合、ビルトインガレージ部分を自動車の車庫とする建築確認を取得していますので、容積率の20%緩和を受けることができます。建物の形は、図面で何度も見ていますが、この基礎で支える建物が、実際にどのようになるのか楽しみにしています。今回も施主として、給排水管工事の施工品質を確認するため、「給排水管の接続状態、排水管の勾配、排水管の支持金具の固定状況」の点検を実施しました。
※「べた基礎の完成と自動車車庫の容積率20%緩和

7.基礎断熱(外気を遮断し、地熱(年間を通して18℃程度に安定)を利用)

基礎断熱は、寒冷地でも採用されている基礎の内側に黄緑色の断熱材(押出法ポリスチレンフォーム)を貼り付けて断熱する工法にしました。床下の温度が外気の影響を受けにくく、室内環境に近いため、冷暖房効率が高まります。基礎断熱は、床下空間も室内空間に取り込んで温度を保つので、床下環境が改善され木材の腐朽を防止できる利点があります。さらに地盤と接するべた基礎から年間を通して18℃程度に安定した温度を保っている地熱を利用して、冬は暖かく、夏は涼しくなります。
※「基礎断熱と全熱交換換気システムのウイルス除菌機能

8.土台敷設(国産檜の土台)

土台は、木造軸組み構造の土台となる部位ですが、基礎と緊結されていること、水平に施工されていること、防蟻対策が適切に行われていることなどが確認ポイントです。土台には、強度と耐久性に優れている国産檜を使用しています。

9.減震ブレーキ装置(揺れない=UFO-Eプレートで地震の揺れを半減)

土台とは、基礎の上に渡された木材のことで、土台の上に柱が立ち並びます。GarageHouse の特長は、この土台で大型地震対策を行っています。基礎と土台の間に UFO 形の金属プレートでできた減震ブレーキ装置を敷設し、摩擦減震という仕組みで効果的に地震エネルギーを減震するので、揺れが半減します。
※「土台敷設と地震の揺れを軽減する減震ブレーキ装置

10.上棟(地震に強い総二階建て)

建方は、一日で木造の骨組みと屋根が出来上がるように、あらかじめプレカット工場で長さや継ぎ目加工がされた柱や梁などの構造材が段取り良く組まれます。木造軸組み構造の材料のうち、土台、柱が国産檜の集成材。梁が欧州赤松の集成材。小梁、筋交い、垂木が米松の無垢材で、天然木を適材適所に使用しています。建物の形を「総二階建て」とした理由は、上下階とも同じ長方形の組み合わせであるため、上下階の柱や耐力壁の位置が一致する割合である直下率が高まり、耐震性能が向上するためです。
※「一日で木造の骨組みと屋根の形が出来上がる上棟

11.SE構法(木造ラーメン構造)・・・東京オリンピックの会場と同設計

 SE 構法(木造ラーメン構造)の場合、基礎と土台をつなぐアンカーボルトや基礎と柱をつなぐホールダウンアンカーボルトに加えて、横架材(土台、梁)と柱や横架材同士の引き抜き防止のため、SE 金物(耐震専用金物)やホールダウンパイプで各部材を緊結し、二重三重の耐震対策が行われています。これらの SE 金物を使用することで、在来工法の仕口に比べ、木材加工による断面欠損が少なくなります。強度の高い集成材と組み合わせることで、木造でありながら鉄骨造の様な安全性と経済性を高いレベルで実現することができます。
※「SE 金物とホールダウンパイプによる二重三重の耐震対策

12.改質アスファルトルーフィング(高い耐候性能と耐熱性能)

屋根防水は、1次防水のガルバリウム鋼板になんらかの原因で雨が浸入した場合、2次防水のルーフィングで雨を最終的にくい止めようとするもので、2重で防水する設計となっています。ルーフィングは、従来品の弱点(主原料であるアスファルトは、原油から出来ているので、防水性能は非常に高いが、屋根材の下で夏の高温にさらされると、べたつきやたわみが起こり、冬の低温ではひび割れが発生してしまうという特性)を克服した「改質アスファルトルーフィング」を使用しており、耐久性があり、圧倒的に耐用年数が長い特長があります。
※「屋根防水の優等生、改質アスファルトルーフィング

13.SE金物(耐震専用金物)(基礎と柱の引き抜け防止)

阪神淡路大震災(1995年1月17日発生)の直下型大地震で、柱が土台から引き抜けてしまう現象が起こり、1階部分が倒壊する家屋が多数発生しました。検証の結果、これは、基礎に埋め込んだアンカーボルトだけで土台をつなげていたことが原因であると判明しました。そこで、引き抜き力のかかる部分には、基礎と柱を直接固定することで、基礎から建物が浮き上がることを防ぐホールダウンアンカーボルトの設置が建築基準法の改正で義務付けられました。
※「直下型大地震から建物を守るホールダウンアンカーボルト