生駒警察署は、最高ランクの耐震等級3

重量感のある生駒警察署の新庁舎

生駒市壱分町に移転した生駒警察署が、まもなく2024年11月25日より業務が開始されます。

住所:奈良県生駒市壱分町1091番地1
建設:ピーエス三菱・中村建設特定JV
構造:鉄筋コンクリート造り3階建て
敷地面積:7,118㎡ 
延べ床面積:3,788㎡
業務開始日:2024年11月25日

新しい生駒警察署は、県内初の非常用電源を備えた災害対策室が設置されており、災害対応力の強化が図られています。そのため、建物の耐震等級は、3段階のトップレベルである「耐震等級3」となっています。

この建物の特長として、耐震等級を向上させるため、太い柱と梁、分厚い耐力壁が必要となり、どうしても窓や開口部が狭められてしまいます。そこで、小さな窓の印象を和らげるため、柱と梁にデザイン性を与えて視覚的に窓周りを広く見せています。

ところで、耐震等級3は、阪神大震災級の震度6強〜7の大地震が起きても、軽い補修程度で住み続けられるレベルで、消防署や警察署など防災施設に多い等級となります。2016年に震度7の地震が2度発生したの熊本地震では、耐震等級3の住宅は、倒壊せず被害も少なかったという調査報告もあります。

🔳耐震等級とは
耐震等級は、建物の強さを表す指標として、2000年に品確法で定められました。
耐震等級1:阪神淡路大震災相当の地震(100年に1度発生する震度6強~7の地震)でも倒壊しない耐震性能
耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の耐震性能。学校や避難所などの公共建物の基準等級
耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の耐震性能。消防署や警察署などの防災拠点の基準等級
※詳細は「床組みの耐震性能を決定する火打ち梁と剛床工法」でご覧ください。
西側は、真ん中に並ぶ小窓を強調しないデザインが施されています。

なお、建物の区分ごとの耐震等級は、国土交通省の住宅性能表示制度の利用状況で次のように公表されています。

区分耐震等級1耐震等級2耐震等級3免震
マンションなどの共同住宅87.1%8.5%1.2%3.0%
戸建て住宅10.0%6.6%83.1%0.1%

※出典:国土交通省住宅性能表示制度の利用状況 https://www.mlit.go.jp/common/001047038.pdf

意外かもしれませんが、鉄骨・鉄筋コンクリート造りが多数を占めるのマンションなどの共同住宅の87.1%が耐震等級1であり、逆に木造が圧倒的に多い戸建て住宅の83.1%が消防署や警察署など防災施設と同じ最高ランクの耐震等級3となっています。

その理由として、マンションは、販売力を強化するため、窓や開口部を広げて採光や通風を良くし、リビングからの景観を高める必要があります。また、建設コストが高くなる太い柱や梁、分厚い耐力壁を十分に配置できないので、耐震等級が上がりにくいという事情もあります。

一方、木造の戸建て住宅は、2000年の建築基準法の改正以後、現在主流の SE 構法(木造ラーメン構造)の技術革新が進んだことも理由のひとつです。もともとラーメン構造は、マンションなどの鉄骨・鉄筋コンクリート造りの柱と梁を剛接合して強力に緊結する建築手法ですが、これを木造建築に取り入れたのが SE 構法です。

 SE 構法は、強度の高い集成材を柱や梁に使用し、壁に耐力壁や筋交いを入れ、床に構造用合板を張り、強固なべた基礎に耐震プレートを挟んだ減震ブレーキ装置の土台の上に、柱や梁を SE 金物(耐震専用金物)で緊結するラーメン構造にすることで、二重三重の耐震対策が行われています。そのため、必然的に木造の戸建て住宅の場合は、ほとんどが耐震等級2や最上位の3相当となってしまうのです。

南向きの正面側は、窓からの採光が良好です。

ところで、GarageHouse 京都南は、東京オリンピックの会場と同じ SE 構法(木造ラーメン構造)となっており、半永久的に新築時の耐震性能を維持できる仕様となっており、住まい手の安全・安心とともに貸し手となるオーナーの資産価値を守ることができる建築物となっています。

GarageHouse 京都南の住宅性能は、ブログ「施工写真で見る GarageHouse 京都南の優れた住宅性能」でご覧ください。

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